リデンシル、キャピキシル、どちらもよく効く成分ですが(後述)、どっちの方がより効果が高いのでしょうか?

ネット上で見つかる様々な商品レビューや口コミ体験談では、

「リデンシルがイイ!ミノキシジルの1.8倍の効果がある」

とか、

「リデンシルは嘘だ、効果ない。キャピキシルはミノキシジルの効果の3倍だ!」

など色々言われていますが、結局、どっち?

 

医学文献、海外論文掲載の試験結果を比較してみました。

医学論文の検証

 

まずは、それぞれの試験結果のおさらいから。

 

【リデンシルの効果】

試験管のテストと臨床試験を記した文献からひも解いてみます。

 

試験管

<試験管テスト>

(1)リデンシルの培養液、(2)タダの水、(3)ミノキシジル(大正製薬リアップの成分)の培養液と3種類の培養液を用意し、それぞれに毛髪を漬け込んで、どれくらい成長するか見ています。

その結果、リデンシル培養液は、タダの水に付け込んだ場合より、+214%も毛を成長させました。

一方、ミノキシジルの培養液に付け込んだ毛髪は、水と比べると+118%。

ということで、リデンシルは、ミノキシジルより約1.8倍(214/118≒1.8)効果があると結論付けています。

 

<臨床試験>

14人に約3か月間塗布してもらいました。

その結果がこちらです

 

有効率

85%。14人中12人で効果が見られました。

増毛数

3か月平均で約1万本の増毛効果が確認されました。

 

成長期/休止期の髪の割合

「有効率」や「増毛数」と比べると少々複雑ですが、このような割合でも、効果を測定しています。

ちょっとわかりにくいかもしれないので補足すると、髪の毛は「成長期」と「休止期」をぐるぐる繰り返していて、薄毛の人は成長期の毛髪が少なく、休止期の毛髪が多いと言われています。

そこで、育毛成分がそれぞれの「期」の毛髪をどれだけ増やすか、または減らすかを見て、その効果を計ろうとしているわけです。

 

でリデンシルの効果です。

結果として、下のグラフにあるように、塗布後3か月で、成長期の毛が9%増加、休止期毛は17%減少しました。

 

また、(成長期の髪の数)を(休止期の髪の数)で割った数値(これもよく出てくる指標です)は、29%増加しました。

なお、この数値が増えたという事は、「成長期の毛髪が増えた」、「休止期の毛髪が減った」ということが言えるので、薄毛を抑える・増毛に導く効果があると言えます。

よく分からない指標かもしれませんが、後で両成分を比較する際にもう一度使いますので覚えておいてください。

 

 

【キャピキシルの効果】

次の文献から効果データを抜粋しました。

Capixylのパンフレット

National Library of Medicine掲載の臨床試験

 

<試験管テスト>

キャピキシルとミノキシジル(リアップ)それぞれの培養液で毛髪を培養し、どれくらい成長したか見ました。

先ほど、リデンシルでも見た試験ですね。

 

その結果、リデンシル(アセチル―テトラペプチド)は毛髪を7日間で156%成長させました。

ちなみに、ミノキシジルは52%でした。

キャピキシル試験管試験

これをもって、論文ではキャピキシルは「ミノキシジルの3倍効果が強い」とアピールしています。

 

<臨床試験>

キャピキシルの臨床試験では、4か月間にわたって、15人の人にキャピキシルを塗布させています。

なお、効果は、「有効率」(リデンシルは85%)や「増毛数」(リデンシルは約1万本)は記されておらず、先ほどご説明した、「成長期/休止期の毛髪数の変化」を基準に効果を検証しています。

臨床試験患者

 

成長期の毛髪の増加割合

4ヵ月間塗布した所、4ヵ月前と比べ、13%成長期の毛髪が増えました。

キャピキシル成長期毛の増加率

 

休止期の毛髪の減少率

今度は休止期(髪の毛が抜けて生えてこない期間)の毛髪の数です。

4か月間で、休止期の毛髪が29%減少しました。

キャピキシル休止期毛の減少率

(成長期の髪の数)を(休止期の髪の数)で割った数値

4ヵ月前と比べ、46%増えました。

キャピキシル成長期と休止期毛の比率の増加率

 

【リデンシルとキャピキシルの試験結果の比較】

リデンシルとキャピキシルの試験では、効果判定の基準として次のものを共通で使っていますので、これらを基準に比較してみます。

(1)試験管での培養試験、

それに

(2)臨床試験での、

  1. 成長期毛の増加率
  2. 休止期毛の減少率
  3. (成長期の毛髪量)÷(休止期の毛髪量)から導き出される(A/T率)

 

 

<試験管テストでの比較>

培養液中の毛髪の成長率では、キャピキシルの方がいい結果が出ています。

リデンシル キャピキシル
対ミノキシジル 約1.8倍 3倍

もちろん、比較対象のミノキシジルの濃度など条件が異なるので単純には比較できませんが。

 

<臨床試験結果の比較>

これまた同様にキャピキシルの方がいい結果が出ました。

リデンシル キャピキシル
成長期毛の増加率 9% 13%
休止期毛の増加率 -17% -29%
A/T率 29% 46%

 

ただし、キャピキシルは臨床試験期間が4ヵ月と長い(リデンシルは3か月)など色々とテストの条件が異なっているので、単純に「キャピキシル>リデンシル」とは言えませんね。

 

【結論】

同じ指標で比べる限り、「キャピキシル」の方がどうしても効果が高いように見えてしまいます。

一方、「リデンシル」の方は「有効率85%以上」、「増毛数1万本」と別の指標では魅力的な試験結果が出ていて、迷う所です。

 

しかし厳密には、繰り返しますが、両方を同じ土壌=同じ試験で比較したデータがない以上、どちらかに優劣をつける事はできない、というのが正直なところ。

なので、少なくとも今の所は、「どちらかを選ぶ」という話ではなさそうです。

 

(中途半端でスミマセン。でも逆に「こっちの方が効果が高い!」なんて言っている口コミがあったら、それは根拠なし。ただの個人的な見解にすぎないと思った方がいいと思います)

 

【どの育毛剤を選べばいいのか?】

どちらかを選べない以上、それぞれ配合した育毛剤を2種類試すか(時間も金もかかりますが)、それか、両方とも入っている育毛剤を選ぶか、しかありませんね。

 

そこで、最後に、代表的なキャピキシル、リデンシル配合の育毛剤を比較してみました。

育毛剤選びの参考にしてみてください。

 

【キャピキシル+リデンシル両方配合の育毛剤】

2成分共に入っていればベストですが、そんな育毛剤があるのかと思っていたら、2つだけ存在しました。

モンゴ流Deeper3Dと、アングレ・ワールドセレクションです。

 

deepr3d vs アングレ

 

Deeper 3D アングレ
分類 化粧品 医薬部外品
その他成分 プロキャピル プロキャピル+バイキャピル+アナゲイン+医薬部外品成分
税込価格 14,630円 5,980円
全額返金保証 なし 30日+AGAクリニック治療補償

どちらがいいかは、一目瞭然でしょうか。

アングレ ワールドセレクションは、2020年に発売された新しい育毛剤らしいですが、開発者自身が「散々育毛剤に騙されまくったため、”ちゃんとした”育毛剤を作ろうと思った」とか。それで、製品性にも価格にも気合が入ってるのでしょうか。

定価は7,980円ですが定期購入だと5,980円。Amazonなら5,990円で売ってます

 

アングレ公式ショップ

 

 

【キャピキシルのみ配合の育毛剤】

こちらでは、フィンジアとバイタルウェーブとを比較してみます。

フィンジア vs バイタルウェーブ

 

フィンジア バイタルウェーブ
分類 化粧品 化粧品
その他成分 ピディオキシジル ノコギリヤシ
税込価格 10,978~14,720円 9,500円
全額返金保証 30日 30日

これも似たような商品性ですが、値段で見るならバイタルウェーブがチョイ安い(それでも約1万円・・)。

 

バイタルウェーブ公式サイト

 

 

【リデンシルのみ配合の育毛剤】

代表選手として宮迫さんで有名なリデンと、前園さんが広告に出ているプランテルEXとを比べてみます。

リデン vs プランテル

 

 

リデン プランテルEX
分類 医薬部外品 医薬部外品
その他成分
税込価格 9,680~13,640円 10,670~15,780円
全額返金保証 実質30日 30日

どちらも似たようなスペックでどちらがいいと言えませんが、リデンの方が若干安いでしょうか(それでも1万円近くしますが・・)。

なお、「その他成分」では根拠のはっきりしない成分はカウントしていません。

 

リデン公式サイト

 

 

以上です!